ホフマン物語 あらすじ

たくさんのお客様にご注目いただいているようでとても嬉しく思っています。
さて、ご存じの方も多いと思いますが、オペラ「ホフマン物語」はストーリが入れ子状態となっていることもあり、初見では全体像すらつかむのが困難な作品の1つです。
以下に本番に配布予定のあらすじを公開させていただきます。
ぜひ、ご一読いただき、公演への楽しみと想像力を膨らませていただければと思います。
operanaut代表 須藤慎吾


オペラ「ホフマン物語」 オッフェンバック作曲

あらすじ

第1幕 ホフマン:ドイツの酒場

 夕暮れ。ワインの精たちが、人目につかず部屋中をふわふわと漂う。彼らは人間から時間と心配事を取り除くので、人間の友人であると自賛する。
 顧問官リンドルフが酒場に登場する。彼は歌姫ステッラの召使アンドレを買収して、ステッラからホフマンに宛てた手紙を手に入れる。ステッラによるその手紙には劇場の楽屋への鍵が添えられており、ホフマンへの愛の告白と彼に与えた苦しみに対して許しを乞う言葉が書かれている。リンドルフはステッラを手に入れるために陰謀を企む。★リンドルフのクプレ”思い悩む恋人たちの役をこなすには”
 隣の劇場でステッラが出演しているオペラ「ドン・ジョヴァンニ」の休憩が始まり、公演を見ていた学生たちが酒場にやってくる。彼らはステッラの芸術を賞賛し、彼女を讃えて乾杯する。
 そこへ詩人ホフマンとその友人ニクラウス(実は女神ミューズ)が登場する。リンドルフが策略をめぐらしつつ傍観するのにも気づかず、ホフマンはステッラへの実らぬ恋の痛みに苦しみながらも、学生たちに混じって気晴らしと忘却を酒に求める。
 学生たちのリクエストに応えて、小人クラインザックの滑稽な歌を歌い始める。★ホフマンのシャンソン”クラインザックの物語”
その後、突然詩の霊感を受けたホフマンは恋人であったステッラの外観を称える歌を歌ってしまう。
 ホフマンは、誰がかつての恋人であるかを告白するする覚悟もないまま、劇場のオペラ公演が進行する間に、彼の3つの恋物語を話すことを提案する。


第2幕 オランピア:物理学の研究室

 ホフマンが話す最初の恋人はオランピア。ホフマンは物理学者スパランツァニの娘である彼女に恋している。実はオランピアは人形作者スパランツァニと人造目玉と幻想眼鏡の製作者コッペリウスにつくられた自動人形である。
 偽りの娘に恋をしたホフマンはニクラウスを伴ってオランピアの家を覗いている。そこに現れる自称スパランツァニの友人コッペリウスから売りつけられる魔法の眼鏡によって一層オランピアへの幻想と恋心を強める。★コペリウスのシャンソン”目玉の歌”
 スパランツァニはオランピアお披露目の祝宴を開く。招待客の前で彼女はハープで人間離れした超絶技巧の歌を歌う。★オランピアのクプレ”並木の鳥達やお空のお日様(人形の歌)”
 ホフマンはオランピアとの会話を楽しみ、ワルツも踊る。ホフマンは恋の成就が近いと喜ぶ。 
 スパランツァニの契約違反に腹を立てたコッペリウスは自分の人造目玉を使った自動人形オランピアを破壊してしまう。オランピアが自動人形でしかなかったことが明らかになり、ホフマンは喪失感と人々の冷笑にさらされる。


<休憩(15分)>


第3幕 アントニア:クレスペル家の部屋

 アントニアが恋人ホフマンから遠く離れねばならなかった事を嘆きながら歌っている。★アントニアのロマンス”きじ鳩は逃げた”
父クレスペルが現れ、歌っていた彼女を強く叱る。アントニアは歌手の素質を母から受け継いでおり歌うことが大好きなのだが、歌うことは父にきつく禁じられている。
 クレスペルが外出の際に召使のフランツに誰も家に入れるなと命令するが、フランツは愚痴を言うだけで役に立たない。★フランツのクプレ”昼も夜も精一杯努力してるし、些細なことには黙ってる”
 ホフマンとニクラウスが現れる。ホフマンはクレスペルの娘であるアントニアに恋している。ホフマンとアントニアは再開を喜び、ホフマンがあの頃のように歌を歌ってくれるよう希望し、それに応えて歌おうとするとアントニアは気を失いそうになる。★アントニアとホフマンの2重唱”ああ、貴女が私をまだ愛しているって、信じていました”
 父クレスペルが突然帰ってくる。そこに医師ミラクルが現れる。ホフマンは、クレスペルとミラクルの会話からアントニアが歌をやめないと死に至ってしまう不可思議な病気に蝕まれていることを知る。★ホフマンとミラクルとクレスペルの3重唱”危険を避けるためには知らねばならない”
 ホフマンは彼女を救うために歌姫への夢を諦めることを承諾させてから部屋を後にする。
 ミラクルはアントニアに名誉欲を起こさせるように囁き、不思議な力で亡くなったはずのアントニアの母の声を聞かせる。偉大な歌手であった母の言葉に抗うことが出来ず、アントニアは魂を込めて母の歌に唱和する。★アントニアと母の声とミラクル”お前はもう歌わないのか?”
 クレスペルとホフマンが戻ってきた時には時はすでに遅く、アントニアは死んでいた。


第4幕 ジュリエッタ:ヴェネツィアの豪邸

 豪邸の正面は大運河に面しており、そこに浮かぶゴンドラでニクラウスと娼婦ジュリエッタが美しい舟唄を歌う。★ジュリエッタとニクラウスのバルカロール”美しい夜、おお恋の夜(ホフマンの舟唄)”
 ホフマンは恋人を失ったための憂鬱を酒の力で晴らそうとしている。★ホフマンのクプレ”友よ、優しい夢見るような愛など思い違いだ”
 豪邸の主人シュレミルが現れる。シュレミルはジュリエッタの近くにいるホフマンのことをよく思わない。客達は賭場に向かう。
 ゴンドラの船長ダペルトゥットはジュリエッタを使って彼女を愛する男たちの影と鏡像を集めている。彼はシュレミルを始末するためとホフマンの鏡像を手に入れるため、まずはホフマンがジュリエッタの魅力にとらわれるよう策略を巡らす。★ダペルトゥットのアリア”きらめけダイヤモンドよ”
 ジュリエッタは自尊心とダペルトゥットの命令を遂行するため、みじめな境遇の哀れな娼婦を演じ、ホフマンを誘惑して愛のしるしとして彼から影と鏡像を奪い、シュレミルから鍵を奪い取らせるように仕向ける。★ジュリエッタとホフマンの2重唱”おお、何と言う透水であなたは私の魂を抱きしめるのか”
 ホフマンはシュレミルとの決闘の結果、鍵を手に入れてジュリエッタを探す。ダペルトゥットの操るゴンドラが離れていく。ホフマンはゴンドラの中に召使ピティキナッチョを抱きしめたジュリエッタがいるのに気付くが目を背ける。


第5幕 ステッラ:ドイツの酒場

 ホフマンは3つの恋を物語ることに疲れ、酔い、ステッラに向き合う機会を逸する。リンドルフは勝利を確信する。ニクラウスは3つのストーリーの真の意味に気づいていない学生たちに、3人の恋の相手はステッラを表しているのだと言う。
 ホフマンは酒に慰めを求めると、いつもそばにいたニクラウスが女神ミューズとなって現れ偉大な詩人としてのホフマンを労り褒め称える。ホフマンを囲むように全登場人物がホフマンの才と幻想世界の賛歌を歌う。★フィナーレ<On est grand par l'amour et plus grand par le pleurs>”人は愛により大きくなり、涙によりいっそう成長するのだ”

この記事へのコメント